<2019年度 体験学習(E)レポート>
「プログラミングって何だろう ― ドローンで学ぶ」
講師・指導: 近藤 茂雄先生(JKDA理事) 他7名(JKDA関係者)
2019年8月8日(木)午前の部(10:00~12:15)、午後の部(13:40~15:55)
鎌倉市立御成小学校のランチ・ルーム
受講生:29名[午前14名/午後 15名]
(小学4年生 18名、5年生 3名、6年生 8名)、午前・午後とも5チームに編成
◆学習スケジュール 時刻は午前(午後)を示している
・10:00-(13:40-) ドローン概要他(座学):飛行原理、性能・機能、用途、使用上の心構え
・10:40-(14:20-) プログラミング実習:チーム毎にトイドローンとiPadアプリでプログラミング学習・実習
・11:40-(15:20-) 成果発表会(作成プログラムの説明、飛行・検証)
・12:00-(15:40-) 編隊飛行デモ、修了証授与
・12:15 (15:55) 終了
◆学習のねらい
2020年度からの小学校におけるプログラミング教育の開始を視野に、4年生を中心とする早い段階でのプログラミング導入学習を試みる。
一方、近年は上空からの観察・撮影や物資輸送のための遠隔操作による飛行体としてドローンの活躍が注目されており、鎌倉でも防災やテロ対策、景観・建物の記録などへのドローンの活用に取り組んでいる団体・鎌倉ドローン協会(JKDA)がある。
本講座ではJKDAの協力を得て、ドローンについて、飛行原理や機能の学習に続き、プログラムを使ったドローン飛行を実際に体験することで、手動と違った確実な飛行プログラムが有効であることを、自らプログラムを書くことで学習してもらうこととなった。
◆学習概要
冷房の効いた会場にも恵まれ、また、15名程による午前、午後に分かれた学習形態、トイドローン及びiPadの充実した機材、そして何よりもJKDAの近藤講師の分かりやすい説明、各チームに貼りついていただいたJKDAの指導員の方の態勢により、充実した学習となった。
JKDAからの挨拶の後、ドローンの概要などに関する座学で始まった。
講師より、スライドを使って、講座の全体的ねらい、ドローンの概要(ドローンとは?、飛行原理、法律と安全)、プログラミング言語について説明がなされた。さらに、具体的学習内容として、プログラミングによるドローンの自動飛行(iPadの使い方、プログラムソフトTELLO EDUの概要と基本的飛行機能の入力方向、一連の基本機能を動作させるためのプログラムの書き方、それら基本機能およびプログラムのデモ飛行)、そしてドローンの操縦装置としてのiPadのプロポ(送信器)を学んでもらった。
次に、各チームによるプログラミング実習に入った。チーム毎に所定の長机にトイドローン1機、iPad1台と作業メモ用紙が配置され、担当指導員のガイドで進められた。「離陸→四角形飛行→着陸」そして空中での回転、前進/後退の組込みなど、プログラムの基本を学んだ後、実際にトイドローンを飛ばしてみて実感した。
それらのまとめとして、発表会に向けての飛行課題「自宅から山の向こう側のお爺さん・お祖母さんの家にお土産をドローンで届けるためのプログラムの作成」が与えられ、チームとして、紙上での飛行計画とコースの立案、プログラム言語表現とトイドローンによる試行を繰り返しながら、完成させていった。
成果発表会は、室内の小さな舞台上に配置された出発地点、目標地点のマーカー、そしてその間に築かれた小山のモデルを実演場所として行われた。各チームは飛行コースと良かった点/悪かった点を発表後、実際に、自作プログラムでの飛行を順次披露して行った。離陸して、小山の上まで昇って越えるか、小山の横を手前/向こう側から回り込んで目標地点に着陸するコースが大部分であったが、着陸地点のマーカーを外れてしまうチームもあった。中には、午前中の部では、小山の上空で一旦停止しあらためて目標に向かうチーム、午後の部では、まずは小山を遠くから取り巻くよう周回してから、出発地の上空に一旦戻って、あらためて小山の上空を越えて、目標地点に降りたチームもあった。
今回の受講生は4年生を主体に行われたが、全体として、ドローンの飛行様態、iPadを使ったプログラミングによる飛行指示の与え方について、基本的なことはしっかりと学ぶことができたように思われた。
◆終了に当たって
発表会後には、JKDAによる複数台のトイドローンを使った編隊飛行のデモがなされ、空中でのアクロバットも披露された。
その後、受講生と講師・指導員全員での集合写真を撮り、最後に、JKDA代表理事の青柳氏から受講生全員に一人ひとり、修了証が手渡されて、解散した。
ちなみに、本講座では報道関係の取材もあり、当日・夕方のJCOM TVのデイリーニュースそして8/23発刊のタウンニュースでもわかりやすく報道された。
今後の小学校におけるプログラミング学習や機器のICT活用による操作などの導入学習を体験してもらえたと考えている。
(文責:中村和男 写真:島村國治、中村和男)