2017 年度(平成 29 年度) 体験学習A
テーマ 「ソーセージ作りを体験しよう」
日時 2017 年 7 月 24 日(月)13:00~16:10
場所 鎌倉ハム富岡商会工場(鎌倉市岩瀬 961)
指導 鎌倉ハム富岡商会のスタッフ
(学習リポート)
夏休みの体験学習Aでは、地元の名産品「鎌倉ハム」を作り続けてきた工場を訪ね、ハム・ソーセージの製造の歴史・方法を見学するとともに、小グループに分かれて腸詰ソーセージ作りを自分たちで体験し、出来上がった製品を試食してみることをねらいとした。
30名の募集定員に対して45名の応募があり、抽選で30名(4年生17名、5年生8名、6年生5名)が参加した。
食品を扱うための衛生面の気づかいを
体験を始める前に、スタディールームに全員が集合し、会社のスタッフの方から、全体説明を受けた。特に、ソーセージ作りに当たっては、「身なりと入念な手洗い」が大切ということ。各自、持ってきた三角巾とエプロンを身につけて、体験教室に移った。
ソーセージ作りの材料と道具を学ぶ
まずは入念な手洗いである。水道、ハンドソープを使い、手のひら、指の付け根から指先まで洗浄し、最後にアルコールで仕上げた。5名一組のチームに分かれ、それぞれで作業テーブルを囲んだ。各テーブルには、1㎏のひき肉のパック、3種類の香辛料(プレーン、レモン、チョリソー)、2セットのスタッファー(ひき肉を詰め、腸に押し出すための、大きな注射器のようなもの。筒と両端の蓋、針、押し棒から成る)、金属製のボール、羊腸を巻いて液体の中に浸けた棒が2本、ハサミが用意されていた。
ボールに入れたひき肉と好みの香辛料(今回はチョリソーを除いた)を一人ひとり30回以上順番に混ぜてゆく。かなりの力が要るし、手にネットリとまとわりつくが、この成否が味を大きく左右するというので、みな頑張った。スタッファーに2、3人で材料を詰めてゆき、その射出棒(針先部)に羊腸をたくしあげ、適当な長さでカットした。つぎに、射出棒から羊腸にゆっくり肉を押し出していった。 はじめは余分な空気を抜き、続いてひき肉をスタッファーの押し棒が止まるまで詰めていったが、これもかなりの力が要るので必死である。この作業を数回繰り返し、数十センチ長の腸詰がテーブル上に並んだ。
長い腸詰を区切って輪にして仕上げる
腸詰をひねって区切り、ウィンナーソーセージを鎖状につなげた様にし、さらに輪っかを作った。各テーブルごとに“作品”を束ねて、チームの番号札をつけて完成し、それらをテーブルに“展示”したまま全員で集合写真を撮った。さらに道具類を整理し手洗いをし、一連のソーセージ作りの作業を完了した。
手作りソーセージの山を平らげる
スタディールームに戻って、待つこと10分、各チーム毎のテーブル上にゆであげられた“作品”が大皿に盛られて並べられた。試食開始、口の中に頬張る、顔と顔を見合わせる、・・・、満ち溢れる歓声と笑顔。異なる香辛料のチーム間で“作品”交換も・・・。至福の時間が流れた。
工場を専用通路から見学―作業員は低温の室内で
スタディールームから会社のスタッフの案内で、階下の工場見学に向かった。豚肉をハム加工用に人手で丁寧に処理する様子、機械から次々と細長いスモークされたソーセージが出てくる様子などを専用の見学窓から観察した。窓の向こう側の作業室は10℃以下ということで、見学通路でもかなりの冷気が感じられた。
明治の初頭、英国人ウィリアム・カーティスが鎌倉郡で外国人相手に畜産業、そして観光ホテルを始め、ハム・ソーセージ、バターなどを製造・販売したという。その技術が、地元の関係者に伝えられ日本人によるハム作りが開始され、鎌倉ハム富岡商会も富岡周蔵によって 1900 年に、その発祥の地『鎌倉』で創業された。その伝統の製法は、ブランドとともに現在まで守り続けられている。歴史資料館での見学を終え、スタディールームに戻り、アンケート記入の後、解散した。
(文責:中村、写真:島村)