日時 2015年7月28日(火)午前10時~12時
場所 三菱電機照明(株) 本社(鎌倉市大船)
テーマ 「LEDを使った光の万華鏡を作ろう」
「明かりを学び、美しい光を作り出す」体験
梅雨が明け、夏休みに入ってまもない火曜日の朝、集まった子供たちは40人(4年生16人、5年生17人、6年生7人)、応募者63人の中から抽選で選ばれたのです。体験学習は、鎌倉市内に本社をもつ「三菱電機照明株式会社」で行われた。会社には、地元の小学生に対して明かりについて様々な体験をしてもらうプログラムを計画していただき、事業所内を会場として「明かりに関するお話」、「LEDを使った工作」そして「さまざまな照明技術や製品に関するショールームの見学」を実施いただいた。
「お話」と「工作」の会場は、ショールームに隣接する会議室で行われ、ちょうど40人が座れる様に机と椅子が配置されていた。
「明かりについて」の導入説明
会社の講師の方から、スライドを使って、様々な視点から明かりについての話がなされた。光とモノの見え方では、「老婆と若い女性」「ドレスの縞模様の色」についての錯視現象から始めて、脳が感じた「光と影」によって見ている色が変わることが説明され、場所によっていろいろな明かりの使われ方があることが示された。さらに、エジソンの電球に始まり、白熱灯、蛍光灯そして日本人がノーベル賞を受賞した青色発光ダイオードの研究で実現したLED照明に至る明かりの歴史が、それぞれ実物の電球の光り方を見せながら説明された。そして半導体の性質、光の三原色の原理などLED照明に関する科学的な説明もなされた。
「LEDを使った工作」
各自の机に工作教材(ボール紙、黒い紙、幅広化粧テープ、RGB色組合せセロファンシート、回転円盤オルゴール、3LED光源ランプ、乾電池、トレーシングペーパー)が配られ、各自が用意してきた工作道具(はさみ、ホチキス、セロテープ、鉛筆(またはボールペン)も机の上に置かれた。
会社の方の工作指導のもと、手順にそって一人ひとりの子供により工作が進められた。
①ボール紙を口径10cm程度の筒状に丸めて両端をホチキス止めし、正方形の黒い紙を筒の一端にかぶせ、筒端面からはみ出した部分に切込みを入れながら円筒側面に折り曲げ、セロテープや幅広化粧テープを使って固定し、円形の黒色紙の端面を作った。
②3LED光源ランプの表面にRGB色組合せセロファンシートを貼り、乾電池を入れ、その背面をオルゴールの円盤部と接合した。
③①の円筒一端の黒色紙の中心に鉛筆の軸が通る穴を開け、その周辺にも様々な大きさの10数個の穴をランダムに開けた。
④点灯した②を机上に置き③の円筒底部にかぶせ、黒色紙の上にトレーシングペーパーをのせ上下すると、穴からの光の像の色や大きさが変化するのを確認した。
⑤部屋の照明を落としトレーシングペーパーを使わず、天井に多数のカラフルな像が映し出されるのを確認して完成した。
この一連の作業では、各作業がうまく行かず付いていけない者、先走って指示より作業を勝手に進めてしまう者、いい加減な作業で雑な出来になってしまう者、几帳面にキッチリと作業を進めなければ気が済まない者、など様々な子供たちがいた。会社と子ども大学のスタッフも必要に応じて子供たちの工作を手助けした。⑤の段階では会場の天井全体があたかもカラフルな万華鏡の像が織りなすプラネタリウムのような様子がつくり出され、歓声を上げる子供も見られた。
「さまざまな照明が造り出す光世界の変化」をショールームで体感
最後に3つのグループに分かれてショールームの各ブースを巡った。LEDの原理と素子そしてそれらの製品化技術の展示、東京駅リニューアルでの照明を担当した実績、次世代の照明技術の可能性、照明ビジネスにおける様々な場面(食材・食品/日用品・雑貨/ファッション/インテリア・装飾品などの販売店舗、カフェー・レストランなど)での光による演色効果などを体感することができた。
「全プログラムを終えて」の質疑
ショールーム見学を終えて、子供たちによるアンケート記入と質疑が行われた。
・Q1:LEDという言葉の源は何ですか? A1:“light emitting diode”で発光ダイオードという意味です。
・Q2:次世代の照明技術は何と呼ばれていますか? A2:「有機EL」です。有機エレクトロルミネッセンスという発光現象です。これを有機発光ダイオード(OLED)照明に使おうとしています。平面全体が光り、面を折り曲げたりできます。
以上 (文責 中村和男; 写真 仲島孝)