2018年度 ゼミ学習C
テーマ「環境とくらしをまもる近未来の住まい・くるまにふれる」
◆講師:中村和男先生(長岡技術科学大名誉教授)
清水 浩先生(慶応義塾大学名誉教授)
風見桂三先生(㈱カネカ技術者)
[協力:㈱イソダ、㈱e-Gle、㈱カネカ]
◆開催日時、会場:夏休みの平日の計3回
第1回目 8/7(火) 10:00~12:00 [㈱イソダ(腰越)モデルハウスNEXT]
第2回目 8/21(火) 10:00~12:00 [㈱e-Gle(JR新川崎駅近く)]
第3回目 8/22(水) 10:00~12:00
[㈱イソダ(腰越)モデルハウスNEXT]
◆受講生:11名(小学4~6年生)
◆学習のねらい
地球全体の温暖化は人間が自然環境と共生していくためには乗り越えていかなければならない課題です。地球温暖化は人間の様々な活動に伴う二酸化炭素の多量の排出と関わっていますが、そうした温暖化ガス排出を抑えエコロジカルな暮らし進めるために、生活関連の重要な近未来技術として、ゼロエネルギーハウスおよびインホイールモーター駆動の電気自動車の開発に挑戦中の企業で、その技術を実感します
(学習レポート)
第1回目 「環境とくらしをまもる生活製品とは」(製品づくりから使用・廃棄まで低炭素排出化)
はじめに、地球温暖化のしくみとして、温室効果ガスの作用、石油や天然ガスなどの化石燃料を燃やすと温室効果ガスの中で大きな割合を占める二酸化炭素が排出されることを学んでもらった。
そして、地球温暖化と私たちのくらしがCO2を介して大いに繋がっており、生活関連での衣食住に関わるモノや車などを「作る・使う・棄てるときの排出炭素量」(カーボンフットプリント)が大量であることを事例によって実感してもらった。その上で、暮らしの安全、健康をまもり、生活の質を確保しつつCO2を抑制していくための多面的なアプローチについて考えてもらった。
それらの学習は、学生への7つの問いかけに対して、各自のメモ・作業シートを使いながらの講師と学生間のやりとりというかたちで進められた。
宿題として添付のシートと温湿度計を渡し、課題項目への記入を可能な範囲で行い、次回に提出することとした。
第2回目 「電気で効果的に動かすクルマづくりに挑戦」(高効率な電力活用と運転の自動化)
大船駅改札口に集合し、電車移動で新川崎駅近くの㈱e-Gle(イーグル)へ。㈱e-Gleは、この日の講師である清水浩先生によって電気自動車と再生可能エネルギーの研究開発を行うために5年前に立ち上げられたベンチャー企業です。
まず、清水先生のお話しがあり、学生との問答を行いながら、地球温暖化と化石燃料の関係、電気自動車と内燃機関自動車の違いなどの説明、そして清水先生が40年前から取り組んできたハイレベルな電気自動車開発の説明や動画などがなされた。
11時過ぎから、電気自動車(Sim-Wil, 2012)に学生は試乗した。各学生は助手席1回、後部座席2回の試乗で、そのガソリン車では味わえない加速、回生制動による減速を満喫していた。
その後、全自動運転自動車にも全員が試乗し、交差点での横からの車の進入に対する自動停止、進路上に佇む人物のゆっくりした回避走行などを体験した。正午を過ぎて試乗を終えたが、最後に“慶應義塾大学”の紹介と勧誘(?)で、この日の講座を終了した。
第3回目 ゼロエネルギー消費の家づくりをめざす(高度省エネ住宅と太陽エネルギー活用)
㈱カネカ技術者の風見先生のお話しがあり、学生とのやりとりを組み込みながら、まずはCO2排出の少ない住宅の目ざすものとして「作るとき」のCO2排出抑制の観点からの木造住宅の有する再生可能資源・炭素固定機能の特徴の説明がなされた。
つぎにくらしをまもりガマンをせずに住宅使用時の省エネ化をはかる方法について、住宅設備の高効率化、断熱性能の高度化、太陽光発電の観点から の説明がなされた。建物の熱的特性を確認するため、サーモカメラによる建物内の各部位や家具の表面温度を学生自ら測定する体験があった。
その後、㈱カネカと地元の工務店の㈱イソダが協力して取り組んでいるゼロエネルギー住宅(ZEH)志向のモデルハウスNEXT21の性能紹介が行なわれて、モデルハウスに移動した。モデルハウスでは、1台のエアコンによる全館空調、ペアグラスの窓、超機密性能の確認などの説明後、学生は各自で3層の住宅内の各室を見て回り、その快適さを体感することができた。またエネルギー消費様態をモニタリングするHEMSの説明もなされた。
最後に学習室に戻り、アンケート記入の後、終了した。
なお、JCOMにより第3回目の講座の様子の取材がなされ、当日(8/22)夕方のJ:COM鎌倉のデイリーニュースでTV放映された。
(文責:中村 写真:中村、島村)